2010年9月3日金曜日

混雑の岩場で

下の写真、普通の登攀風景に見えるのですが、わたしたちパーティが唖然とした光景です。

写真は先日の北岳バットレス第四尾根の簡単なピッチ。下に小さく点に見えるのがリードから登る許可を待つセカンドの私、右下端外側から写真を斜めに横切る緑と青のザイルで写真の外から私を確保しているのがパートナーのうりうさん(写真の撮影者)。わたしの上にいる写真中央の方は別パーティの方でリードしています。そうです、完全にザイルがクロスしているのです。


北岳第四尾根の一光景(うりうさん撮影)

第四尾根はたいへん混雑していて、下部フランケから合流したわたしたちは各確保地点で順番待ちしながら登っていました。後から登って来たこの写真中央の方も当然私たちを待つのだろうと思って、登る許可を待っていた私は確保点でセルフビレーを取れるように場所を空けてあげたのです。が、何も言わずにそこをさっさと通り過ぎてどんどん登っていくのです。
私はしばらく呆然と見るしかありませんでした。


結局、わたしはこの後続パーティのリードするザイルを何度もくぐって登らざるを得ませんでした。簡単なピッチですが、いつからこんな登り方をするようになったんでしょう。この方、ランニングもほとんど取っていないので、ザイル引っ張ってやろうかと思ったりして、とても不愉快でした。さらに、次のピッチも同じことをしようとする雰囲気だったので、さすがに我慢できず「ザイルを重ねないでくださいね」と言うことになってしまいました。

以前、雪の穂高北尾根で同様なことをされそうになり、「それは危ないでしょ」と注意したら、「あなた方が遅いから、、、」と私たちのつけたトレースを利用して登ってきた女性クライマーに捨て台詞を吐かれました。そんなとき、いつも思うのが、「そんなに早く登りたいなら、さっさと早起きしろ!追い越したいなら礼儀正しく丁寧に交渉すべきで、ザイル重ねるなんてあり得ないだろ」です。危険を伴うスポーツです、お互い、リスクをできるだけ排除して気持ちよく楽しみたいです。


2 件のコメント:

  1. 始めまして、
     え~~、今そんな人がいるんですか? 
     僕がクライミングをやっていたのはもう30年ぐらい前の本番と言われている岩場が大盛況のころ、週末ともなればどこの岩場・コースも週末は満員御礼でしたが、そんな追い越しあったことないですよ。
     もちろん追い抜く時は前のパーティに言って追い越しました。
     僕が榊原さんの立場だったら完全に頭に来て文句言ってたと思います。

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  2. >IKさん
    はじめまして
    コメントありがとうございます。
    山もランニングもいろいろな人がいますね。今回はわたしには想定外の行動されたのでしばらく唖然としてしまいました。後で別のパーティの方から聞いたのですが、結構老舗で岩場にルート名も残す有名な山岳会のパーティだったみたいです。
    これが岩が不安定な岩場だったら、怒鳴り散らしていたかもしれません。

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