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この岩場は元来冬の岩場、夏は岩が不安定ではないかと不安だったのですが、意外に安定していました。またお盆で混雑を覚悟していましたが、小同心には数パーティ取り付いていたものの、大同心はわたしたちの独占状態、快適なクライミングができました。メンバーはいつもの大学時代の後輩のM氏。
夏の大同心は、アルパインクライミング好きな初心者を三つ峠でトレーニングして最初に連れてくる本番の岩場にいいかもしれません。適度なピッチ数で、フリーもあるし、人工もある(頑張ればオールフリーにも)。ピンは多少荒れているけど決して少なくない。下山は一般道を使えば安全。
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左の写真は、冬の八ヶ岳、赤岳鉱泉に近づくと迫ってくる大同心(左)、小同心(右)。右の写真は、上記の夏の写真とほぼ同じ角度から見た冬の大同心。
大同心雲稜ルートのピッチ数は通常6ピッチ。このルートは夏はオールフリーで登れるルートですが、今回わたしはそういった冒険はせずに、1ピッチ目と5ピッチ目の5.9のピッチをセカンドにしてもらいフリーでチャレンジしました。1ピッチ目はわたしでもリードでいけそう、5ピッチ目は一度テンションをかけていろいろ考えてやっと登れる状態だったのでフリーでリードするのはわたしにはちょっとチャレンジングかも。それより、2ピッチ目の凹角ですが、濡れていてしかもリードだったので今回のルート中この部分のみアブミ出して人工で登ってしまいました、ここがちょっと残念。
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取り付きから見る大同心全貌 1ピッチ目核心(リードは人工で)
ピンの状態ですが、取り付き部分から最初のハングまでがピンが少なく見つけにくいので、冬は要注意です。その他は比較的しっかりしたピンが適度にあります。
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このピッチは、冬は確実にアブミになる場所です。ルートはこの日私たちの独占状態だったので、少し時間をかけて、古い残置スリングは切断して新しいスリングに交換し、一ヶ所ハーケンを打って残置スリングに頼らずに登れるようにルート整備しました(右の写真は廃棄した古いスリング)。ただし、リングの飛んだボルトに関しては何もしていませんので、リベットハンガー等が必要です。
今後も、このスリングが古くなったり、ピンが痛んだら、それを見つけた人は是非、修復してほしいです。
以下、今回の山行をもう少し詳しくご紹介します。
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赤岳鉱泉から大同心稜を登ると大同心の岩場の取り付きに1時間ちょっとで到着します。大同心の基部を踏み跡をたどって40mほどトラバースすると、ペツルと普通のボルトが二本並んで打ってあるところがあります。そこが取り付きとなります(遠くからではよくわからないです)。
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1ピッチ目は、小ハング下のアブミを使い始める(もちろんフリーでもOK)までは、ピンが比較的少なめ。また上の方にあるペツルのハンガーがあるまでのハーケンが目立たないので見つけにくいです。最初の出だしのピンはカムを使いました。冬の記録によると雪に埋まってかなりの高さをノーピンで登っている例がありました。
ちなみに、わたしはセカンドだったのでこの部分はフリー(5.9)で越えました。
2ピッチ目は、フェースと凹角(わたしのリード)。出だしと途中の凹角部分が核心ですが、昨日の夕立で草付きや土の部分が乾いていなく、シューズが常に濡れてしまうので、凹角部分はフリー(5.9)はすぐに諦めアブミで越えました。この部分が唯一フリーにチャレンジできなかった箇所で少々心残り。
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5ピッチ目は、ドームの基部のバンドをトラバース(20mほど)。右の写真で岩にわたしがへばりついています。
一部体が外に出る部分はありますが、草付きを慎重に選んで足をおいていけば簡単。このあたりは冬はアイゼンでスタスタと行けるのではないでしょうか。ただ、声が通らなくなるので要注意。今回小電力トランシーバを持ち込みましたがこれも電波が通じませんでした。やはり冬はアマ無線ですね。
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6ピッチ目は、ドームの登り(ルート図には40mと書かれていましたが実際は25m程度です)。傾斜がきつく冬はアブミ登攀になると思います。ここを手袋でフリーで登れる人はすごいですね。わたしはこのピッチをセカンドにしてもらいフリー(5.9)に挑戦しましたが、上部の小ハングで一度テンションをかけてじっくりホールドを探して組み立てないととても一発で越えることはできませんでした。上述したようにこのピッチはピンが多少荒れていたので、フリーで登るにしても十分準備しておかないと危ないですね。
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終了点は、ドームの頭(左がM氏、右がわたし)
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