今シーズンのわたしのアイスクライミングは、「大同心大滝」のリードで締めました。
大同心大滝を登ることはわたしにとって、ちょっと意味があります。
学生のころ、高価なアイス用ギアなど買えるわけもなく、大人になったら、一度はアイスクライミングをしてみたいと思っていました。ただ、周りにアイスクライミングを教えてくれる人は誰もいません。2年前、初心者のわたしは突然、高価なギアを買い込んで、山岳ガイドの保科雅則さん(詳しくはこちら)のアイス講習会に飛び込みました(八ヶ岳赤岳鉱泉、1月、3月)。最初の赤岳鉱泉「アイスキャンディ」での講習はそれはそれはひどかったです。バイルを振れば氷が割れるだけ、アイゼンに立ち上がればバイルがすっぽ抜けてフォール。すぐに握力がなくなって、バイルのリーシュに入れた手が手袋から抜け失笑を買うフォール、氷の上の方にバイルと手袋が空しくぶら下がっていました。
正直言って落ち込みました。意地になったわたしは、すぐに2回目の講習を申し込みました。さすがに多少はコツを覚えて、この大同心大滝をトップロープで登らせてもらいました(過去の記事はこちら)。この講習でちょっと自信をつけて、何年か先に大同心大滝を自分の力で登ってやると、わたしのアイスクライミングの目標になりました。1年後、美野戸口の「河原奧の氷瀑」で初めてリードを経験し(右の写真)、その後、「ジョウゴ沢大滝」、「南沢大滝・小滝」をリードしました。
2年後の今シーズンは、まず年末にジョウゴ沢を硫黄岳まで抜けてウォーミングアップ。1月はジョウゴ沢を通るときにいつも右に見ていたきれいな「乙女の滝」をリードしました。
3月は、いよいよ2年前に立てた最終目標の「大同心大滝」です。
前置きが長くなってしまいましたが、わたしにとって大同心大滝とはこんな滝でした。
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大同心大滝の下部を登り、いよいよ最後のバーティカルアイスを登り始めるわたし。リード始めたら一気に行くしかないです、非常に緊張した一瞬でした(エドヤマさん撮影)。
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ビレイはMさん、落氷があるので岩棚の下に隠れています(エドヤマさん撮影)。ちなみに、入山前に6時間行方不明になった彼をM.ウォーリーと命名しました(詳細は後日)。
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バーティカルなアイスは、体が外に出てとっても怖いのですよ(エドヤマさん撮影)。
2年前に立てたアイスクライミングの最終目標「大同心大滝」をリードできました。握力の持久力が乏しいわたしですから、この堅い氷を無理して完全なフリーで登ることに拘らず、何度かアックステンションしてアイススクリューを設置して登りました。ちなみに山岳ガイドさんでも、アックステンションしている人を時々見かけます。
実は、わたしたちが滝に取り付くころ、数組の山岳ガイドさんが引率するパーティがやってきました。その中に、アイスを教えてもらった保科さんのパーティもいらっしゃいました。元先生に、「君はリードはまだ早いよ」なんて言われるのではないかと妙な緊張感もありました。それにしても保科さんの完璧なフリーのアイスクライミングは相変わらず格好いいです。
アイスクライミングを本格的にしている人から見れば、笑われてしまうような話ですが、わたしにとって大同心大滝をリードできたことは大きな達成感のあるものでした。
大滝をリードした後、いつものようにトップロープを設置して、もう少し気持ちを楽にしてみんなでこの滝を楽しみました。”Mさん、わたしが貸したバイル2本を大滝の上に忘れて懸垂下降”。。。。なっなっなんてことするのよ{/まいった/} というような楽しいクライミングでした?
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わたしが登った後、Mさん、エドヤマさんが登ります。わたしの後から数パーティがやってきましたが、いずれも山岳ガイド引率の初心者パーティ。私たちって結構いい線いっていましたよ(左はエドヤマさん撮影)。
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大同心大滝の登攀を終えて、下山するわたしたち。大滝を背にした見晴らしはとってもきれいです。特に今回は目標達成の充実感いっぱいで眺める景色ですから最高です。これで、八ヶ岳のアイスの代表的なクラシックルートは全て登ったので、来年は甲斐駒ヶ岳の氷瀑を登ろうかななんて考えながら下山しました。
※いつもアイスクライミングの動画を撮っているのですが、今回、リードを終えたあと、ホッとして、動画撮影をまったく忘れていました。ちょっと残念。
2 件のコメント:
��ウォーリー
まさに、探しても探してもアレで(大爆!
風貌もそれとなく似てたり・・・(更に爆!
>エドヤマさん
今度、M.ウォーリーに赤白の縞模様のクライミングジャケットをプレゼントしようかと
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