学生時代、山で大失敗しました。
くだらないことして大事故、よく助かったと思います。
大丈夫そうに見えた残置ザイルに体重をかけて懸垂下降しはじめた次の瞬間、ふっと宙に舞いました。あの瞬間を今でも時々思い出し、脂汗をかきます。 馬鹿ですね、そんなことして。なんであんなことしてしまったんでしょうね。
ザイルの結び目一個が下降器のリングに噛んで、雪の急斜面にぶら下がりました。その晩、近くの小屋に収容され、翌日ヘリコプターで運ばれて松本空港に下ろされると、家族やOBが待っていました。
情けなくて情けなくて誰にもあわせる顔はなかったのですが、OBからかけてもらった言葉が私を救ってくれました。
「また、登ろうや」 、でした。
これが私が生きてこれたこと、今も山を登らせてもらっている大切な言葉なんです。あの絶望感の中で、もう一度やり直そうと思えた一言でした。何年か前にその声をかけてくれた先輩に会いました。そんな言葉をかけてくれたこと、まったく記憶になかったようです。でもこの言葉はわたしの命の恩人なんです。
映画「岳」の予告編で、似たような言葉が出てきたのにはびっくりでした。
「また、山においでよ」
どんなシーンで出てくる台詞かわかりませんが、そのシーンが見たくて待ち遠しいです。
(原作が漫画というのは少し引っかかりますが)
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