今回は、12月4日~6日の日程で、裏同心ルンゼのアイスクライミング、今年メインの大同心雲稜ルート、そして余裕があれば赤岳主稜も登る予定でした。
結果、赤岳主稜は次回に先送りにしましたが、二つのルートを完登でき、大満足の山行となりました。メンバーは、FunClimbクラブ(詳しくはこちら)のSさんとわたしの二人です。大同心を目標にこの秋は二人で練習を重ねてきました。十分トレーニングと準備をして目標を達成できたのでとっても充実感があるのです。
今年は雪がほんと少なく、裏同心ルンゼの氷の状態や大同心にまったく雪がついていないのではと心配していました。ところが裏同心ルンゼはすべての滝をアイスクライミングで継続でき、大同心は以前見た同時期より白く雪がついていて、手応えのある冬の壁でした。
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左の岩峰が今回目指す大同心、右の岩峰が昨シーズに登った小同心。
裏同心ルンゼは大同心の左側で、氷瀑が連続する谷です。写真は赤岳鉱泉から今回撮影したものです。
12月4日 赤岳鉱泉入山
前日の夜、大阪を夜行バスで出発して小淵沢まで移動し、朝早く赤岳鉱泉に向けて出発しました。
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赤岳山荘から雪の無い林道をザック二つ背負って歩くわたし(左;Sさん撮影)。赤岳鉱泉のテント場は土の上でした(右)。
12月4日 裏同心ルンゼ
赤岳鉱泉にテントを張った後、裏同心ルンゼを登りに行きました。2年前に同時期に登に来たときは、半分以上滝は雪に埋まっていて、ノーザイルで登ってしまいました。今回は雪が少ない分、横で水が流れていたり、氷が薄いという難点はありますが滝がすべて顔を出していて、アイスクライミングを十分楽しむことができました。
ただ、その分、ロープを3ピッチ出したりして翌日も時間がそれなりにかかりそうなので、予定していた裏同心ルンゼから大同心雲稜ルートの継続は諦め、翌日は大同心雲稜ルートだけとしました。
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F3は氷が少なく最後はミックス気味、上から覗くわたし(左;Sさん撮影)。
F4をノーザイルで抜けた後、F5はSさん自ら手を挙げて、初アイスリード(右)。
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最後のナメ滝をノーザイルで登って終了(左;Sさん撮影)。そこから大同心の基部を右上して大同心稜経由で赤岳鉱泉へ戻ります(右)。右上する途中、翌日登る大同心雲稜ルートの取り付きがわかりにくいのでそこに取り付きのピンに赤布をつけておきました。
ちなみに今回、先行パーティの待ち時間、大同心取り付き及び下山ルートの偵察などをしたため、赤岳鉱泉を出発して戻ってくるまで約4時間半ほどかかりました。
12月5日 大同心雲稜ルート
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2ピッチ目、凹各からフリーの草付きフェース。フェースは雪でピンがなかなか見つからずかなり怖いです。リードするSさん、ピナクルやカムで支点を作り、巧みに抜けます。右はフォローするわたしが怖かった核心部を抜けたところで呆然している様子(Sさん撮影)。
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夕日による大同心の大きな影(左)。昨シーズン登った小同心(右)
下山は、大同心と小同心の間のルンゼを慎重に30分ほどで下り、まだ明るい内に、大同心稜に戻りました。さすがに樹林帯まで下ったころには真っ暗になり、赤岳鉱泉に戻ったのは18時くらいでした。朝6時すぎに出発していたのでこの日は12時間行動、お疲れ様でした。ということで、二人の意見は一致し、3日目は赤岳主稜を登る予定をキャンセルし、のんびり下山としました。
赤岳鉱泉にテントを張った後、裏同心ルンゼを登りに行きました。2年前に同時期に登に来たときは、半分以上滝は雪に埋まっていて、ノーザイルで登ってしまいました。今回は雪が少ない分、横で水が流れていたり、氷が薄いという難点はありますが滝がすべて顔を出していて、アイスクライミングを十分楽しむことができました。
ただ、その分、ロープを3ピッチ出したりして翌日も時間がそれなりにかかりそうなので、予定していた裏同心ルンゼから大同心雲稜ルートの継続は諦め、翌日は大同心雲稜ルートだけとしました。
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F1はノーザイルで抜けます(左)。水が横で流れているのでまだまだこの氷瀑は未発達。F2でザイルを出して快適なクライミングを楽しむ先行パーティ(右)。
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F3は氷が少なく最後はミックス気味、上から覗くわたし(左;Sさん撮影)。
F4をノーザイルで抜けた後、F5はSさん自ら手を挙げて、初アイスリード(右)。
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最後のナメ滝をノーザイルで登って終了(左;Sさん撮影)。そこから大同心の基部を右上して大同心稜経由で赤岳鉱泉へ戻ります(右)。右上する途中、翌日登る大同心雲稜ルートの取り付きがわかりにくいのでそこに取り付きのピンに赤布をつけておきました。
ちなみに今回、先行パーティの待ち時間、大同心取り付き及び下山ルートの偵察などをしたため、赤岳鉱泉を出発して戻ってくるまで約4時間半ほどかかりました。
12月5日 大同心雲稜ルート
2年前のちょうど同じころ裏同心ルンゼを登ったときに最後にこの大同心雲稜ルートを登っているパーティを見かけました。その時、冬にこの壁を登ってみたいと思ったのです。わたしは冬にこういった壁を登ったことがありません。そのため、まず昨シーズンは3月に小同心クラックを登りました。そして今年、夏に雲稜ルートを偵察のため登って、秋は早くから念入りにアイゼン登攀の練習をして本番に備えました。
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大同心に向かうわたし(左)。雲稜ルート取り付きに斜面をトラバースするSさん(右)。昨日の晴天とは異なり、この日は上部がガスの中でした。昨日取り付きのボルトに赤布つけておいて大正解でした。壁全体は白く雪がついていて、ここ最近登られた形跡もなく、以前同時期に見たときよりも手強そうです。
![](//3.bp.blogspot.com/-ttKAdSAUkgg/UyxFt96JmCI/AAAAAAAAzFI/gclKTcJ7IFE/1323279573.jpg)
1ピッチ目、準備をするわたし(左)。ハング下までフリーで登り人工登攀を始める(右;いずれもSさん撮影)。このピッチ、ハング下までピンが見つけにくくよく豪快にフォールしているのでかなり緊張して登りました。
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大同心に向かうわたし(左)。雲稜ルート取り付きに斜面をトラバースするSさん(右)。昨日の晴天とは異なり、この日は上部がガスの中でした。昨日取り付きのボルトに赤布つけておいて大正解でした。壁全体は白く雪がついていて、ここ最近登られた形跡もなく、以前同時期に見たときよりも手強そうです。
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1ピッチ目、準備をするわたし(左)。ハング下までフリーで登り人工登攀を始める(右;いずれもSさん撮影)。このピッチ、ハング下までピンが見つけにくくよく豪快にフォールしているのでかなり緊張して登りました。
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2ピッチ目、凹各からフリーの草付きフェース。フェースは雪でピンがなかなか見つからずかなり怖いです。リードするSさん、ピナクルやカムで支点を作り、巧みに抜けます。右はフォローするわたしが怖かった核心部を抜けたところで呆然している様子(Sさん撮影)。
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夕日による大同心の大きな影(左)。昨シーズン登った小同心(右)
下山は、大同心と小同心の間のルンゼを慎重に30分ほどで下り、まだ明るい内に、大同心稜に戻りました。さすがに樹林帯まで下ったころには真っ暗になり、赤岳鉱泉に戻ったのは18時くらいでした。朝6時すぎに出発していたのでこの日は12時間行動、お疲れ様でした。ということで、二人の意見は一致し、3日目は赤岳主稜を登る予定をキャンセルし、のんびり下山としました。
2 件のコメント:
はじめまして。ショイナードの記事からきました。30年前に初めてショイナードから出たゴアテックスのジャケットを日本で最初に買ったものです(笑)
山を長期休んでいたのですが、昨年からまた登山熱にうなされはじめ、まずは基礎体力を取り戻すため、毎週富士登山、高尾山周辺のトレイルランでトレーニング中です。
八ヶ岳周辺の冬山もかなり通いました。この大同心のルートもなつかしい。別の日に友人が下山途中で滑落し、あばら骨を6本折って、1本は肺に刺さり、半年ぐらい入院したことがあります。
多分、同じような指向の方とお見受けしました。今後どこかで遭遇するようなことがあればよろしくお願いします。
ざびえるさん
ショイナード、懐かしいです。学生時代に使っていたサブザックとカラコルムに遠征に行ったとき使ったザックがショイナードで今でも大切に保管しています。
facebookで山のグループを作って仲間と楽しんでいます。是非覗いてください。
http://www.facebook.com/groups/FunClimb/
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