ベトナムに行って一つ分かったことがあります。
ベトナム、韓国、中国、それぞれ戦争に関する博物館があるのですが、ずいぶん雰囲気が違うんですね。
ホーチミン統一会堂(Indipendence Palace)、統一会堂の屋上に米軍のヘリコプターが置かれていて、米軍のマークに控えめに✖印が書かれていました。その他、特に米軍を避難するような展示は見かけないんですね。
ベトナム、韓国、中国の戦争展示は何が違うのか。
韓国は実際に天安の独立記念館に2007年に訪問しています。どこも後世に戦争の歴史を伝える大きな役割を持っていると思います。
戦争の歴史を後世にどう伝えるのかという姿勢に違いかなと思います。いい悪い別として。ベトナムも韓国もこれらの施設には多くの子供たちが来ています。韓国では若いカップルも多数来ていました。
ベトナムの戦争に関わる展示は象徴的な博物館だけでなく、動物園や公園にもさりげなく行われています。さすがに動物園に突然こんな展示があったのはびっくりですが、ベトナム戦争で長い戦争の歴史を終わらせてからまだ50年もたっていない国なんだなとも感じます。
さすがに軍事歴史博物館では米軍機の墜落したジオラマがあるのですが、米軍の飛行機などが自分たちの戦車(ソ連製)などと並んで普通に展示されているなど、戦争の事実が穏やかに展示されています。戦争の終わった後で、米軍への恨み辛みは決して表現してないです。どうも国の方針としてそれを後世に伝えようとしていないようです。
一方、2007年に訪問した韓国の独立記念館(中国にも似たようなものがあるそうですが)、日本の憲兵や軍人が韓国人を拷問したジオラマが多数展示され、これを子どもや若いカップルも見ています。わたしが熱心に見ていたら、博物館の人にノートにサインをしてくれと言われました。これは当時の誤った日本の姿で事実なんでしょう、私は有名だったこの展示を実際に韓国で見て深く考え込みました。この展示を子どもたちや若いカップルが見ている光景がとても恐ろしく感じました、これは時間がかかるなと。
ベトナムでも韓国のような展示が当然あるのかなと思っていたので、今回そのギャップに驚きました。米軍や韓国軍がベトナム戦争でめちゃくちゃしているのにね。このことを若いベトナム人に聞きました。「ベトナム人は未来を見ているので」だそうです。
ただ、昨日、「韓国軍はベトナムで何をしたか」という本を読んだのですが、これを読むと残虐な事件が起きた場所ではそんな綺麗事ではないことがわかり、それはそれで少しホッとしました。いったん戦争になればウクライナみたいに今でも同じことが起こる。人間は政治によって残酷に簡単になってしまうのですよね。その事実は戦場だったところでは静かに伝えられているようです。戦争加害者側はそれを隠そうとしますからね。次回ベトナム訪問時はダナン周辺でそんな場所を実際に訪れてみたいと思います。
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