映画を見て、「また山においでよ」というTVのCMで使われている言葉にもう一つ、わたしには特別に意味のある言葉が使われていること知りました。涙が流れてしまいました。
「空が青い」(正確な台詞ではないかもしれません)
学生時代に山で事故を起こして翌日ヘリコプターで松本空港に運ばれるとき、とっても空が青かったんです。これで見納めかなと思って、全身打撲で動けない体を狭いヘリコプター中で必死で起こして見た、大好きな前穂高北尾根と真っ青な空、忘れられません。
そして、松本空港でヘリコプターから降ろされると、ストレッチャーの上で絶望の中にいる私に「また山に登ろうや」という先輩の一言。
映画のつかみのお粗末な事故のシーンは、ちょっとひどいなと見ていましたが、まさに事故をしたときの私は映画そものだったと思います。そして、映画の中で語られた救助してくれる人の背中の暖かさ、わたしもあの時背負ってくれた人の背中の温もり、その感触は忘れることができません。
漫画が原作なのは複雑だけど、わたしには特別な映画になりました。
三歩の拳を上げるポーズが今ちょっとできないのが悔しいです。○十肩がまだ直らないんですよね。
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とっても良い映画でしたが山岳映画としてはいろいろ以下でコメントしています。それはお許しください。その昔、K2を舞台にしたバーティカルリミットを見て以来、山岳映画のだめ出しが趣味になっています。映画これから見る人は見ないでください。
「岳」の山岳映画としての感想。
【ちょっとなあと思ったこと】
- 日本の山であの大きなクレバスは無理がありすぎる。あのクレバスは氷河のある山岳地帯ですね。
- 三歩の滑落停止が下手すぎ。つま先雪面につけたらだめですよ。わたしが監督だったら撮り直しです。
- 久美ちゃんが休暇中に単独登攀していたシーン、あのフィックスロープとアッセンダ-がどうも納得いかないです。ピッチの終了点でアンカー設置しているのにフィックスロープはさらに上まで伸びていました。
- どこに行くにもギアが氷用から岩用まですべて持っているのって現実的かなぁ。重すぎますよね。
- 三歩と登山者が抱き合う最後の方のシーンで、三歩の手が相手のザックに回っていたのですが、ザックがふわふわなんです。ちゃんと荷物積めてたらあんなふわふわではないですよね。
- あの山小屋って何処の山小屋をイメージしているのでしょうか。あの小屋から奥穂高に短時間で行けるし、車まで入れるんですよね。
【正確でしたね】
- 久美ちゃんのザックにゾンデ棒がついていましたね、細かいところがとても正確。
- 三歩のエイト環のセットが教科書どおりでしたね。私、落第生です。
- 三歩がロープで人を背負っているセット方法、ちゃんと覚えようと思いました。
【にんまりとしたこと】
- 岩場のシーンは、見慣れた三つ峠、いつも登っている岩場です。
- 平山ユージさんが、台詞しゃべっていましたね。「三歩さん、こっちに来て酒飲みましょうよ」って。
2 件のコメント:
榊原さん、大変ご無沙汰しております。
そして半月以上前の記事へのコメントでスミマセン。
今日「岳」観てきました。
いい映画でしたね!
「榊原さんはどう観るかのかなぁ」と思っていたので、山岳映画としての感想の「ちょっとなあ~」のところを読んで笑ってしまいました。
葛西のジムは超ご近所なので、そのうちまたご一緒させていただきたいと思います。
また連絡します。
��乱丸さん
ご無沙汰しています
実は今から葛西のジム行きます
またよろしかったらどうぞ
最近、FunClimbクラブはFaceBookでイベント立ち上げたり、交流したりしています。新しい人が結構増えて、FB気に入っています。
岳、やっと見たのですね。
まだまだ、おかしなところがあるのですが、たとえば久美ちゃんがピッケルで足を切断したところ、絶対無理だと思う。でも三歩の言葉がすっかり気に入ってしまって。DVD出たら買おうと思います。
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