しばらく山とランは遠のいています

仕事、そしてコロナの関係でしばらく山やランからは遠ざかっています。来年の春から復帰できるようそろそろ運動再開していきたいと思います。ちなみに今、BIツールのPower BIが半分趣味になって、完全な運動不足になっています。20201020

2015年1月15日木曜日

脳心判定された6歳未満女児の両親コメント「娘が命をかけて私たちに伝えたかったメッセージ」

脳死と判定された6歳未満の女児からの臓器摘出手術が14日行われたことが話題になっています。重度の障がいを持つ娘を持つ親として、医療環境の発展をうれしく思うのですが臓器提供を承諾したご両親のことを考えるととても複雑な気持ちになります。そんな中で14日明らかになったことがとても悲しくて、このブログで書くのはちょっと場違いなような気もしますが、敢えて書きます。

日本臓器移植ネットワークが1月13日に報道各社に公開した、脳心判定された6歳未満女児の両親コメント全文は、実は移植ネットワークによって都合の悪い部分が削除されていたという「事件」。TVや新聞紙面ではあまり大きく報道されてませんが、ネット記事では各紙が大きく取り上げ、特に朝日新聞デジタルの記事を見ると削除部分がよくわかります。
翌14日に阪大病院の担当の先生が本当の全文を公開したとのこと、現場はちゃんとわかっていますよね。記者会見した勇気に感謝したいです。

両親のコメントを削除した日本臓器移植ネットワークの担当者(広報責任者?)、厚労省の出向者でしょうか? いったいどこ見て移植ネットワークで仕事しているんでしょうか。削除されている部分は厚労省の認可業務に都合の悪いところばかりで削除の意図が容易に想像できます。せっかくの大きな成果に中心組織の一部の担当者によってケチをつけられることになってしまいました。
どんな思いでこの文書をご両親が書いたのか、娘の生きてきた意味を娘に代わって文書にした大切な文書をよくも改ざんできるものです。朝日新聞以外の報道では”削除は両親の承諾を得た”と移植ネットワークが言っているとしている記事が多い。でも「それが娘が命をかけて私たちに伝えたかったメッセージではないか」と両親が書くように、一番大切な部分の削除を両親が承諾するなんて考えにくいし、そうであれば阪大病院が本当の全文を再び記者会見までして公開するようなことはあり得ないですよね。この真実はどこにあるのかマスコミは追求してほしいです。

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ご両親のコメント全文(黄色が日本臓器移植ネットワークの担当者によって削除された部分)

 私たちの子は原因不明の拡張型心筋症になるまで、大きな病気をすることもなく、元気に成長してきました。
 昨年4月には幼稚園に入園し、初めての運動会の練習を一生懸命しておりました。運動会前日、風邪のような症状から病院を受診し、特発性拡張型心筋症であることが分かりました。
 12月に容体が悪化し、補助人工心臓をつけて移植を待機することしか命をつなぐ方法がなくなりました。国内では、子供用の補助人工心臓が使用できなく、やむなく一時的な簡易の機械を使用するという選択肢しかありませんでした。
 待機している間も小さい体で度々の脳出血や数回の開胸手術に耐えておりました。
 さらに何度も血栓が補助人工心臓内にでき、そのたびに管の取り換えも行っており、本当に生きた心地がしない日々でした。
 国内待機の限界を感じ、先生にお願いし海外での移植手術を目指し動き出しました。
 受け入れ先も決まり、渡米への準備をしているさなかの1月の上旬に最も心配していた血栓が娘の脳に飛び重篤な脳梗塞を起こしました。
 それでも諦めずに回復を祈っておりましたが、2日後に娘は脳死状態になりました。
 命をつなぐはずの補助人工心臓が娘の命を奪う結果となってしまいました。
 娘には補助人工心臓のことを『あなたのことを守ってくれている大事なものだよ』といつも伝えていただけに、本当に無念でやるせない気持ちです。
 娘がほぼ脳死状態にあると分かった時に私たちは、心臓移植待機中のことを思い出しました。国内では臓器提供が少ない現状を強く感じておりましたので迷わず娘の臓器を、移植待機されているお子様やそのご家族様のために提供したいと申し出ました。私たちは娘が発病してからの3カ月間、暗闇の中にいました。同じようなお気持ちの方に少しでも光がともせられたらと思っております。
 今回の娘の死によりお伝えしたいことがあります。それは小さい子に、リスクの高い一時的な簡易の機械しかつけられないという今の日本の現状です。子供用の補助人工心臓は海外では何年も前から使われているのですが、日本では使用の許可が下りておりません。
 他のお子様とご家族に同じことが起こらないためにも一刻も早く改善して頂きたいと心から願っております。
 それが、娘が命をかけて私たちに伝えたかったメッセージではないかと思っております
 現在の日本の移植医療の現状を皆様にご関心を頂き、命のリレーが当たり前のように日本で行われるような環境に進んでいくことを望みます。

*朝日新聞デジタルから転載

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