人気の錫杖岳前衛壁、8月25日~27日に登って来ました。
今回は、FunClimbクラブ(詳しくはこちら)のHさん、Kさん、前半2日だけ参加のAさんの4人パーティです。テント場では一日早く入ったNさん、Cさんパーティとも合流。
登ったルートは以下のとおりです。第3ルンゼは核心部はほぼ濡れていましたが、あとは天気もよく快適なフリークライミングを楽しめました。
8月25日 第3ルンゼ(Hさん、榊原)
第1ルンゼ(Aさん、Kさん)
8月26日 注文の多い料理店(Aさん、Hさん、榊原)
8月27日 左方カンテ(Hさん、Kさん、榊原)
錫杖岳前衛壁全貌 登山道を必死で上っていくと前衛壁がやっと見えてきます。これが見えるとテント場は近いです。右の深く切れ込んでいるのが第3ルンゼ。
第3ルンゼ 冬シーズンの下見を目的に登りました。核心部はべったり濡れていたので人工交じりで登らざるを得ませんでしたが、狭いルンゼの中をよじ登るという独特の雰囲気が楽しいです。浮き石の状態は思ったほど悪くありませんが、懸垂下降時はロープがチョックストーン周辺など岩の隙間にひっかかりそうで注意が必要です。
冬は完全なミックス登攀、楽しみです。
注文の多い料理店(核心部Aさん撮影) このピッチはセカンドでしたがとにかくびびりました。ただ、このルート、重いけど大きめのカムさえ十分持っていれば安全に登れますね。
左方カンテ 気持ちいいルートでした。3ピッチ目の核心部は背が低いとなかなかガバに届きません。そんなわけで届かない右手を手前の小さなカチをごまかしごまかし掴んで左手でガバとって抜けれました。ここが一番心配だったピッチです。
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詳細は以下から
●8月25日(土)
早朝登山口から約1時間半かけて錫杖沢出会いのテント場まで登りました。登りがきついので山に慣れていないとちょっと辛いですね。この日は2つのパーティに別れて第3ルンゼと第1ルンゼを登りに行きました(第一ルンゼに関しては、わたしは行っていないので報告は省略します)。
錫杖沢出会いのテント場。狭いテント場です。
○第3ルンゼ(Hさん、榊原)
錫杖沢出会いから岩小屋まで移動し、そこからアプローチに入りましたが、この道結構荒れていました。錫杖沢出会いからそのまま左方カンテの方に上がってトラバースした方が早いと思います。
登攀は、10時すぎにスタートしました。直射日光はきついのですが、ルンゼの中は日陰が多いので暑さは問題無く、快適にスタートしました。
登攀は、10時すぎにスタートしました。直射日光はきついのですが、ルンゼの中は日陰が多いので暑さは問題無く、快適にスタートしました。
第3ルンゼ 1ピッチ目(リードHさん)
2ピッチ目(リード榊原)のHさん 3ピッチ目(リードHさん)
3ピッチ目あたりから岩が濡れてる部分が出てきました。4ピッチ目は特に濡れていてしかも被っていてどうしようもないので、エイドに慣れていないHさんが苦戦して選手交代、わたしがリードしました。
こんなに天気が良い日が続いているのになんで濡れているのだろうと思っいてたのですが、後で聞いたら前日夕方に夕立があったそうです。
こんなに天気が良い日が続いているのになんで濡れているのだろうと思っいてたのですが、後で聞いたら前日夕方に夕立があったそうです。
4ピッチ目(リード榊原)のHさん 5ピッチ目(リード榊原に交代)
5ピッチ目を抜けるHさん 5ピッチ目を見下ろす
6ピッチ目(リードHさん) 7ピッチ目(リード榊原)を登って終了点
結局、5ピッチ目でかなり時間ロスしたため、終了したのが15時前になってしまいました。だいたいルンゼの状況は把握できたので、冬シーズン頑張ろうと思います。
登り切った後、落石やロープ回収のトラブルを避けるため下降は裏側から降りることにしました。事前に調べていた内容からイメージしていたのとは少々違ってはいましたが確実に降りれます。懸垂下降は45m×3ピッチ、支点は木です。支点は見落としやすいので赤布つけてきました。またロープで補強しリングやカラビナも残置してきたのでスムーズにロープ回収できると思います。懸垂下降の後、涸れ沢を下って登山道に合流します。終了点から錫杖沢出会いのテント場までは予定どおり3時間でした。
登り切った後、落石やロープ回収のトラブルを避けるため下降は裏側から降りることにしました。事前に調べていた内容からイメージしていたのとは少々違ってはいましたが確実に降りれます。懸垂下降は45m×3ピッチ、支点は木です。支点は見落としやすいので赤布つけてきました。またロープで補強しリングやカラビナも残置してきたのでスムーズにロープ回収できると思います。懸垂下降の後、涸れ沢を下って登山道に合流します。終了点から錫杖沢出会いのテント場までは予定どおり3時間でした。
第3ルンゼ終了点の冬の下降支点
(これは登ってきたルートを下降する。
(これは登ってきたルートを下降する。
●8月26日(日)
この日は、2パーティでいっしょに注文の多い料理店を登る予定でしたが、Kさんが体調悪く、Aさん、Hさん、榊原の3人1パーティで登ることになりました。
この日は、2パーティでいっしょに注文の多い料理店を登る予定でしたが、Kさんが体調悪く、Aさん、Hさん、榊原の3人1パーティで登ることになりました。
○注文の多い料理店(Aさん、Hさん、榊原)
登攀開始は8時くらい、1ピッチ目(リード榊原)は簡単なんですが、しばらくカムをセットする箇所がなくびくびくしながら登りました。2ピッチ目(リードAさん)からグレードが上がりますがカムをセットできる箇所は豊富で適切なサイズのカムを持っていれば安心して登れます。
登攀開始は8時くらい、1ピッチ目(リード榊原)は簡単なんですが、しばらくカムをセットする箇所がなくびくびくしながら登りました。2ピッチ目(リードAさん)からグレードが上がりますがカムをセットできる箇所は豊富で適切なサイズのカムを持っていれば安心して登れます。
3ピッチ目核心部、このハングの下を右に抜けるまでがめちゃめちゃ怖い。アンダーホールドは大きいのですがどうも滑りそうで、しかもスタンスは小さくそこで2回踏み換えてトラバースしていくのですが、勇気を出して一気に移動しないといけません。恐怖心でなかなか最初の踏み替えに踏ん切りが付かず何度も躊躇して、でもそれしか方法がないので諦めて飛び出しました。リードのHさん、かなり怖かったと思います。でもカムはばっちり効くので安全性は比較的高いと思います、あとは勇気ですね。
3ピッチ目(リードHさん)を登るわたし。左の写真で、この一歩から左足を引き寄せてきて踏み換えるのがとっても怖いのです。右の写真は怖いハング下のトラバースが終わったところ、あとはレイバック使ったりして快適。
3ピッチ目のAさん 3ピッチ目終了点の狭い地蔵テラス
3ピッチが目でほとんど勇気を使い果たしたわたしは、順番では4ピッチ目はわたしがリードでしたが、腰抜け状態だったのでAさんにリードを替わってもらい、わたしは5ピッチ目をリードすることにしてもらいました。5ピッチ目はビレイポイントまでかなり長いのですが後半は草付きで浮き石もあるので支点さえ取れれば省略してもいいように思います。フォローが大きめの落石を発生させてしまったのですが、たまたま下に人がいなくて本当によかったです。6ピッチ目はこんな状態なので省略しています。終了は11時半くらいです。
4ピッチ目(リードAさん) のわたし、ワイドクラックのピッチ。
終了点(11時30分)やれやれです。取り付きまでもどったのが12時すぎ
●8月27日(月)
○左方カンテ(Hさん、Kさん、榊原)
登攀開始は6時10分くらい。この岩場は虫はいないなあと思って何も予防をしていなかったら、今日は、日が当たらない間、取り付きにブヨの大群が来襲してきました。足首噛まれて一週間くらい痒いし腫れてました。
登攀開始は6時10分くらい。この岩場は虫はいないなあと思って何も予防をしていなかったら、今日は、日が当たらない間、取り付きにブヨの大群が来襲してきました。足首噛まれて一週間くらい痒いし腫れてました。
1ピッチ目(リードHさん) 2ピッチ目(
リードHさん)
リードHさん)
3ピッチ目以降、いろいろな課題が出てくるのがおもしろいです。チムニー、クラック、フェースなどなど。ただ、ピンはほとんどないのでリードはカムがセットできる場所を探しながら登るという形になります。そこが同じグレードでも他の岩場より難しく感じ、楽しいのかもしれません。また登りに来てもいいなと思います。
3ピッチ目(
リードHさん) 4ピッチ目(リード榊原)
リードHさん) 4ピッチ目(リード榊原)
4ピッチ目(リード榊原) 5ピッチ目(リード榊原)
最終ピッチはKさんが慣れないクラックにちょっと時間がかかりましたが、無事全員抜け(従来の最終ピッチは省略)、昨日と同じルートで懸垂下降4ピッチで降りました。これにて今回の錫杖岳前衛壁は完了となりました。誰も怪我がなく、よかったです。
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