しばらく山とランは遠のいています

仕事、そしてコロナの関係でしばらく山やランからは遠ざかっています。来年の春から復帰できるようそろそろ運動再開していきたいと思います。ちなみに今、BIツールのPower BIが半分趣味になって、完全な運動不足になっています。20201020

2010年9月6日月曜日

【夏山】北岳バットレス下部フランケの報告

8月27日金曜日~29日日曜日に登ってきた北岳バットレスは以下のようでした。



●スケジュール
 8月27日金曜日 御池小屋、北岳バットレス下部岩壁偵察
 8月28日土曜日 dガリー大滝~下部フランケ~第四尾根
  当初はピラミッドフェースから中央稜の継続を予定していました
  が先行パーティがいたので下部フランケに変更し、中央稜は
  時間切れで省略して四尾根をそのまま登りました。
  この日は、北岳肩の小屋に泊まりました。
 8月29日日曜日 御池小屋経由で下山

●同伴者
  「FunClimbクラブ」(詳しくはこちら)のうりうさん


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8月27日、広河原から御池小屋に入山しました。そのままバットレスに試登に行きました。ただ、この日は積乱雲がどんどん上がって非常に微妙な天気でした。

  
大樺沢を八本歯のコルに向かって登山道を登ると、バットレスからの複数の沢の押し出しに出会います。
目印は、左の写真にあるバットレス沢押し出しに横たわる大岩です。これが夜が明けていない時に登るとよくわからないのですよね。少しのぼるとc沢の押し出しが出てきます。c沢がよく使われているアプローチだそうで、c沢右岸の登山道のような踏み後をたどるとb沢に合流し、そのままbガリー大滝に取り付けます。ガスが無ければ沢をつめると正面にピラミッドフェースが立ちはだかります。


  
c沢上部からdガリーに移動しようと思ったのですが、、、、、
今年は雪が多く、雪渓が上部まで残っていてわたしたちの装備ではトラバースするのは危険でした。それではと、bガリー大滝を登って緩傾斜帯を移動してdガリーを懸垂下降してdガリー大滝の周辺を偵察することにしました(左の写真)。でも天気は悪化の一途でどんどん暗くなり、結局2ピッチ目で夕立に遭遇。ルートに水が滝のように流れ出し、体はびしょ濡れになりました(真ん中の写真)。それでも登り切って緩傾斜帯に出ましたがルートがよくわからず足元も不安定だったので、結局登ってきたbガリー大滝をそのまま懸垂下降して取り付きに戻りました(右の写真)。いずれの写真もうりうさん撮影です。


 
c沢押し出しに戻った私たちは、登山道をさらに登って八本歯のコルへ向かいました。
登山道が八本歯に向かって左に曲がるところで、右からの押し出しているd沢に入りました(左の写真)。dガリー大滝取り付きに上がる元気はなかったので、さすがに荷物は、d沢入り口から少し登ったところにデポしました。


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8月28日、3時過ぎに御池小屋を出てゆっくりdガリー大滝に向かいました。

 
d沢の下部でデポを回収し、登攀具をつけて準備している間にバットレスは真っ赤に照らし出さされました。
右の写真のdガリー大滝まで沢を詰めます。


 
左の写真はピラミッドフェースの取り付き箇所です。
このあたり岩が不安定ということだったのでわたしたちはここをパスしましたが、後続パーティが取り付きました。
右の写真はこれからdガリー大滝に取り付く準備をしているうりうさん。ここは洞窟になっています。dガリー大滝の取り付きまでは、ピラミッドフェース下部の崩壊の下を通るので十分注意が必要です。


  
左の写真はdガリー大滝2ピッチ目を登るわたし、真ん中の写真はフォローするうりうさん。
ピンは少ないですがカムなどを利用して確実に登ります。dガリー大滝を登りきると緩傾斜帯に出ます。この時点で、後続パーティが先にピラミッドフェースに取り付くことを確認、落石に逢うのはかなわないので、わたしたちは下部フランケにルートを変更しました。左の写真は下部フランケの取り付きで、右の凹状部分を直登するか、左のdガリーをさらに詰めるかのどちらかです(右の写真)。結局この3ピッチ目は、ルート図上で自分たちの位置を正確に把握できていなかったので、自然に後者を選択しました。


  
4ピッチ目は下部フランケの核心部のフェース。A1+Ⅳ級またはフリーⅥ級で、細かいフェースを登ります(左の写真)。
次の5ピッチ目はピンが少なくカムを連続できかせます(真ん中と右の写真、うりうさん撮影)。

  
5ピッチ目からは下部フランケ特色の内面登攀が断続的に続きます。


動画は、6,7ピッチ目の内面登攀です。
※ビデオ内の時計は8時間ほど遅れています。



7ピッチ目をフォローするうりうさん。あと1ピッチ登って第四尾根に合流します。

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続いて、取り付きから9ピッチ目の第四尾根は以下のようでした。



 
左は、第四尾根に合流して1ピッチ目(第四尾根3ピッチ目)。
ピラミッドフェースの頭の右側を巻いていきます。右は、3ピッチ目(第四尾根4ピッチ目上部)を四尾根核心部V級のおにぎり岩に向かいます。


第四尾根は混雑していたこともあって、こまめにピッチを切って先行パーティに続きました。
おにぎり岩を越えてマッチ箱のコルへの懸垂下降地点まで4ピッチで到着しました(第四尾根では取り付きから通常5ピッチ目)。ここは二回目ですが、アルパインの雰囲気がいっぱいで気に入っています。ちなみには四尾根は無理してザイルを延ばさない方がいいです、傾斜が緩いのでザイルを引き上げるのに重くて一苦労ですから。
※ビデオ撮り始めが12時30分くらいですので、ビデオ内の時計は8時間ほど遅れています。



マッチ箱のコルから松の木テラスへの登りです(私たちは四尾根5ピッチ目になります)。
先行パーティのバックには中央稜が輝いています。わたしたちは結局この場所に到達した時点で13時近くになり、南アは午後からの雷雨が怖いので中央稜継続はやめてそのまま第四尾根を北岳頂上に抜けることにしました。同じ時間帯にいたパーティは松の木テラスから懸垂下降していましたが、、、


  
左は最終ピッチを登るわたしです。
四尾根に合流して7ピッチ目で下部フランケから合計15ピッチ目です(四尾根取り付きからも通常7ピッチ目)。もう、ランニングビレーも取るのが面倒なピッチですが、そういったところこそ事故は起こっているので慎重にランニングを取りながら登ります。四尾根の終了点を終わると、あとは踏み後をたどって北岳頂上です。


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