しばらく山とランは遠のいています

仕事、そしてコロナの関係でしばらく山やランからは遠ざかっています。来年の春から復帰できるようそろそろ運動再開していきたいと思います。ちなみに今、BIツールのPower BIが半分趣味になって、完全な運動不足になっています。20201020

2008年5月12日月曜日

GWの涸沢 その4 前穂北尾根そして再び上高地から涸沢に(5月5日) 

GWの涸沢、4日目の5月5日は、前穂高岳北尾根を登りました。

今日の北尾根メンバーは、私と、大学山岳部OBのOさん、現役のMさんの3人です。前穂からつり尾根経由で奥穂・白出しのコルへ行く予定です。
FunClimbクラブのSさん、エドヤマさん、山岳部現役のYさんはあずき沢から白出しのコルまで登り、私たちと合流して奥穂高アタックの予定でした(諸事情があり、白出しのコルに上がったのは、SさんとYさんの二人でした)。左の写真は、Ⅴ峰の登りです。


前穂高岳北尾根のルート

 ※過去の記事は以下をご覧ください
   速報
   1日目(5月2日)
   2日目(5月3日)
   3日目(5月4日)北穂高岳東陵




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朝2時起床・3時に涸沢テントサイトを出発。北尾根取り付きでのⅤ・Ⅵのコルに到着したのが、朝4時30分ごろです。この朝は、特別暖かく、雪はまったく凍っておらず、早朝から腐った雪のラッセルでした。また、ガスが出ていて視界はあまりよくないです。

      
   Ⅳ峰の登り         Ⅳ峰の奥又白側トラバース


Ⅲ峰核心部、ここは体がかなり宙に出ます。晴天だったら、この真っ白なガスの向こうはすっぱり切れていて高度感抜群です。写真はOさんです。

      
  現役のMさん、ビレイ中    Oさん、核心部の終盤です

Ⅲ峰を登り始めたころから、ガスの中に細かい雨を感じるようになりました。雪が腐って状態はあまり気持ちいいものではなく、Ⅲ峰核心のチムニーの他に、何カ所かザイルを出さないと怖い状況でした。
結局、すべてを登りきって前穂高岳の頂上に着いたのが11時くらい。この時間になると、雨は小降りですが、風もあり、ガスはかなり濃くなっていました。この状況で、前穂からつり尾根へのルートを探しましたが、ホワイトアウトしていて、トレースも見つからず、よくわかりません。トレースを探しながら磁石を頼りにつり尾根が顕著になるまで強引に進んでも、雪が腐っているので奥穂まで行くと時間切れになってしまう可能性があります。

一方、岳沢側にはしっかりとしたトレースが残っていました。結局、奥穂へ向かうルートを探してラッセルするのは良くないと判断し、岳沢側に一旦下って、テントサイトの涸沢に上高地経由で戻ることにしました。相当距離はありますが、体力には自信のある私たちにはベストな選択だったと思います。涸沢にもどるのはおそらく、夜の8時・9時になるでしょう。Oさん提案のこの選択に下山した今でも満足しています。



悪天候の中、涸沢と反対側の岳沢に大急ぎで下っていきます。上高地までは前穂のピークから約1500Mの下りです。岳沢まで下ると、ガスはなくなり、視界も広がります。同時にこれで雪崩の恐怖からも解放されます。

岳沢まで来ると携帯電話がつながりました。白出しのコルの穂高山荘では涸沢から上がってきているメンバーが13時まで待っている約束でした。私は、急いで穂高山荘に電話して彼らを呼び出してもらいました。メンバーに、状況を伝え、帰りが夜中になることを告げ、奥穂は諦めてすぐに涸沢に下りるようにお願いしました。

連絡がつけば一安心です。あとは急いで岳沢から上高地に下って、必死に歩いて涸沢に戻るのみです。岳沢から上高地に到着したのが14時30分ごろ。15時過ぎに上高地を出発、このころから雨がかなりきつくなり、ずぶ濡れになって涸沢に到着したのが、夜の20時20分。今日はなんと17時間行動でした。しかもずぶ濡れなので、当然登るのを止めるとすぐに体が冷えてきます。
こんなきつい行動をこなせたこと、やっぱり山岳部は体力あるよね と改めて思うのでした。

それにしても、夜遅くまで涸沢で待っていてくれた、Sさん、エドヤマさん、山岳部現役のYさんにはたいへんご心配をかけました。途中で電話が通じたので安心して待っていてくれると思っていたのですが、この雨では心配してしまいますよね。途中の山小屋から涸沢ヒュッテに何度か連絡をして伝言をお願いすればよかったです。また、折角白出しのコルまで登ったのに、奥穂に連れていけなくて申し訳なかったです。


今回の移動ルートを地図におとしてみました。今日の行動は水平移動距離で約22.5km、高度差は1500mでした。途中の山小屋で音を上げず、よく涸沢まで戻れたものだと思います。ただ、一週間たってもこの疲れがまだ抜けません。


この日、涸沢に戻れた私たち三人は、テントの中でストーブをいっぱい焚き、体を出来るだけで乾かしてシュラフに入りました。が、深夜に雨が上がったあと、すっかり冷え込み、シュラフの中でガタガタ震えていました。

さて、最終日です。
風もあり寒いけど、早朝から雲一つない、すごい晴天なんです。。。。
今回の山行の最終章はこの週末にお送りします。


 


4 件のコメント:

mo-chanママ さんのコメント...

なんだか「岳人」の記事を読んでいるようです。
ドキドキしました。
すごいな~~判断力と技術力と体力。
この距離・標高差をあるいて21時に涸沢。
素人にはありえない世界です。
ご無事で何より。
そして翌日はご褒美のような晴天。
最終章も楽しみにしております。

乱丸 さんのコメント...

榊原さん、こんにちは!
臨場感あるレポート楽しませていただいてます。
積雪期の穂高、素晴らしいですね!
それにしても1日で前穂~岳沢~上高地~涸沢とは恐れ入りました!
みなさんさすがですね!
ハンパじゃない体力と気力!!(もちろん技術も)
最終章も楽しみです。

エドヤマ さんのコメント...

まだまだ体力余ってましたね。
ご無事で何よりでした。
��諸事情
そうです、人それぞれ事情があり。
おかげでのんびり飲めましたよ^^

榊原淳 さんのコメント...

>mo-chanママさん
>乱丸さん
さすがに、この長時間行動は疲れました。未だに疲れが抜けません。こういうことにならないようにもっと慎重に行動しないといけないと、反省しています。
>エドヤマさん
その節はたいへんご心配をかけました。天気が微妙なときに突っ込むときは、エスケープの計画を事前にいろいろ考えておかないとだめですね。
ところで諸事情はもう大丈夫なんですか