しばらく山とランは遠のいています

仕事、そしてコロナの関係でしばらく山やランからは遠ざかっています。来年の春から復帰できるようそろそろ運動再開していきたいと思います。ちなみに今、BIツールのPower BIが半分趣味になって、完全な運動不足になっています。20201020

2010年5月6日木曜日

【五月山行】鹿島槍ヶ岳東尾根~赤岩尾根

4月29日~5月1日は、鹿島槍ヶ岳東尾根から赤岩尾根を縦走してきました。

計画では鹿島槍ヶ岳から八峰キレット経由で五龍岳・唐松岳・八方尾根の予定でした。しかし、今年のGWは下界の天気はとっても良かったのですが、山は天気が安定せず特に5月1日朝まで風がやたら強く、ガスが出て視界がききません。そのため、主目的の東尾根を抜けた後、キレット越えは諦めて赤岩尾根に向かうことにしました。
でも、赤岩尾根に向かう途中、冷池小屋まで来ると高度も低くなったこともあり、風も収まり、ガスも晴れて五月山行の本来の天気に戻ってきました。そのため、そのまま下山せずに、早々にテントを張って、小屋で買い出ししたお酒を飲みながらのんびり春山を日差しを楽しむことにしました。やっぱり五月山行はこれがないと。


  
左は2日目の朝、鹿島槍東尾根一ノ沢ノ頭から見た夜明けの雲海。この後、濃いガスと風が出てきて一気に冬山の状態になってしまいました。
右は3日目の夕方、天候が回復し、冷池小屋から劔岳に日が沈むところ。



3日目の夕方、冷池小屋近くから見た布引山。

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<登山記録>


■メンバー 3名
 榊原、Mさん、「FunClimbクラブ」(詳しくはこちら)のSさん 

■行動記録 4月29日~5月2日



  • 4月29日 大谷原入山~鹿島槍ヶ岳東尾根一ノ沢ノ頭
    前日は、信濃大町の駅前で野宿、早朝に登山口の大谷原にタクシーで移動しました。
    午前中は雨、午後、一ノ沢ノ頭に到着するころには天候が回復しました。しかし、風が出てきて気温もどんどん下がっていきました。

  • 4月30日 東尾根一ノ沢ノ頭~鹿島槍ヶ岳北峰
    夜明け時点でガスは出ていませんでしたが、すぐに悪化。風はきつく、ガスも濃くなり、気温も下がって雪が降ってきました。14時30分ごろ鹿島槍ヶ岳北峰になんとか抜けましたが、ホワイトアウトでルートファインディングに自信がなく、時間も遅いので、キレットに降りるのは止めて、急遽、北峰頂上にテントを張ることにしました。なんとか一張り分は整地できて、斜めのテントサイトにはならずに済んだのが幸いでした。猛烈な強風なので、テントを厳重に固定します。この夜、風、雪は収まらず、気温も相当低く、完全に冬山状態。テントが風に大きく撓ると、テントの中で雪が降る始末です(テントに結露した霜が降ってくる状態)。

  • 5月1日 鹿島槍ヶ岳北峰~南峰~布引山~冷池小屋
    朝まで天気は変わらず、天気予報も北ア北部はあまり回復が見込めません。ガスは昨日ほど濃くはなかったのですが、結局、逃げ場のない八峰キレットに突っ込むのは安全のため諦らめることにしました。強風の中、テントを畳み、赤岩尾根方面に出発しました。この時点で遠見尾根から登ってくるOさんと五龍山荘で合流することも諦め、携帯メールで連絡を行うことに。
    そのまま赤岩尾根から大谷原まで下山するつもりでした。が、冷池小屋付近まで来た10時すぎには、高度も下がったこともありますが、それまで冬山のような強風・低温、ガスが出ていた状態が一気に回復し、五月らしくなってきました。劔岳や立山も夕方までしっかり見えてきました。そのため、下山は次の日にして冷池小屋近くにテントを張り、春の日差しを浴びて一日ごろごろすることにしました。

  • 5月2日 冷池小屋~赤岩尾根~大谷原下山
    この日は昨日に続き、天気はまさに五月。のんびりと五月の雪山を楽しみながら赤岩尾根を下山しました。11時前に下山。

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<ルートの様子>



●1日目(4月29日) 大谷原~一ノ沢の頭
  
左は大谷原から少し移動したところにある東尾根の取り付き。道路の標識に東尾根とマジックでメモが書かれています(Sさん撮影)。
右は、東尾根を一ノ沢ノの頭に向かって進むSさん、Mさん。まだGWは誰も入っていないようで、わたしたちがトレースを付けていきます。



●2日目(4月30日) 一ノ沢ノ頭~鹿島槍ヶ岳北峰

2日目早朝、一ノ沢ノ頭で出発の準備を進める。天気はまだ良く、これから向かう、核心部の第一岩峰・第二岩峰、鹿島槍ヶ岳ピークがよく見えます。でも気温はかなり低いです。
ちなみに、今回使ったテントは、3人なのでちょっと重くて大きかったのですが30年近く前に購入したダンロップのテントにしました。つり下げ式テントはやっぱり良いですよね、設営が早いです。次の日に鹿島槍ヶ岳北峰で強風の中で張ったときはそれを実感しました。



東尾根核心部のルートを赤岩尾根から見たところ。第一岩峰手前も急な雪壁でそこでザイルを2ピッチ、第一岩峰で2ピッチ、第二岩峰で1ピッチ出しました。3人なので結構時間はかかってしまいました。

 
左は一ノ沢ノ頭を出て第一岩峰に向かう途中のナイフエッジ。右は第一岩峰手前の最初の急な雪壁。ここは雪の状態が良ければ、ノーザイルで行くのかもしれません。


第一岩峰は、写真のように岩の間にある雪のルンゼを登ります。ビレイは岩場のブッシュを使います。

       
左は第一岩峰1ピッチ目のリードをするSさんとビレイするMさん。右は2ピッチ目をフォローするわたし。



第二岩峰のルート図。左にトラバースしたところのチムニーが核心部です。スタンスが細かいのと足を高く上げないといけないので荷物が重いとかなり苦しいです。リードのSさんは軽快に登りましたが、わたしはなかなか二歩目のスタンスに足が上がらなくもがきました。リードは荷物を軽くして上げることが肝心。

     
左は、第二岩峰核心部をフォローするMさん。
右は、第二岩峰核心部をフォローするわたし(Sさん撮影)



 
第二岩峰下部をリードするSさんの登攀風景。

 
第二岩峰核心部をフォローするMさんの登攀風景。


●3日目(5月1日) 鹿島槍ヶ岳北峰~冷池小屋
  
左は鹿島槍ヶ岳南峰のMさんとわたし(Sさん撮影)。
右は、鹿島槍ヶ岳から冷池小屋に向かうところ、ガスは晴れて来ましたが、まだ相当風はきついです。



冷池小屋に向かう途中の強風の稜線。指先が寒さで痛みます。風の音でその強さを味わってください。


冷池小屋手前のテントサイト。ブロックを積んで立派に整地してあるテントサイトを発見。劔岳や立山もパノラマで見えて、思わず、そのまま下山することを止めてテントを張ることにしました。樹林帯であることもあって風も弱くとっても良いテントサイトです。昨日濡れてしまったシュラフや防寒具などを一斉に乾かします。


  
小屋でお酒の買い出しをして外で飲んだ後は、みんな外で春の日差しを浴びながら昼寝です。左は熟睡中のSさんとMさん。わたしは持ちこんだインドの香を焚きながら(右の写真)、iPodの電池が無くなるまで音楽を楽しみました。雪景色を見ながら屋外で聞く音楽は格別ですよ。

●4日目(5月2日) 冷池小屋~赤岩尾根~大谷原下山
  
左は冷池小屋から少し上がった場所から見下ろす赤岩尾根。雪の状態が良いので上部はトラバースして細い尾根に入ります。右は赤岩尾根の途中。この尾根も八方尾根のように気持ちよく降りれる尾根でした。ただ、尻セードできる場所が少ないので一気に降りると太ももに乳酸が溜まります(本日現在まだ筋肉痛です)。


※今回の山行のアルバムは以下です。
http://photozou.jp/photo/list/63380/1405368


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