今年のGWも残念ながら山岳事故が複数発生したようです(詳しくはこちら)。
わたしが登った鹿島槍ヶ岳東尾根は、GW前に死亡事故が発生していました。昨年もこの尾根では大きな事故がありました。五月の山は、天候が悪ければ冬山、天気が良ければ快適ですが雪が腐って足下は不安定、いずれにしても軽くみてはいけないですね。
ところで、今回の五月山行で赤岩尾根下山中に、ちょっと考えさせられる中高年4人パーティに会いました。わたしたちが赤岩尾根を半分以上下った時、下から登ってくる4人パーティに会いました。すれ違う時に最後尾のリーダらしき男性から
「となりの尾根(冷尾根)から雪崩とともに人が落ちたようで、雪の斜面上で動いているのを見かけました」と私たちに説明し始めます。「救助の要請をしたのですか」と尋ねると「携帯が繋がらないからしていない」と言います。また、目撃者の一人は「ちゃんと確認はできていない」とも言います。
人が落ちたのを目撃した場合、現場に行く自信が無いのならせめて下山して救助の連絡に走りませんか、それって山を登る人の責任でしょ。目撃もしていない私たちに何を求めているのか?。とっさにこの人たちに適切な対応が思い当たらず、レベル低いなあと思いながら、「隣の尾根の雪の斜面を注意して見ておきます」と伝えて分かれました。
私はずっと隣の尾根を注意しながら下山したのですが、結局私の目では特に異常は見つかりませんでした。こんな人の命に関わる話を聞いてしまった以上、しかも目撃した張本人は何も行動を起こさないだろうと思って、「こんな話無視したらいい」という仲間の反対の声もありましたが下山後、私は大町警察に通報しました。
ただし、警察には「冷尾根を登山ルートに使う人はほとんどいないと思うので、おそらく岩や木の枝が雪崩とともに沢筋に落ちるのを人に見間違えたガセネタの可能性が高いと思うが、放置しておくことはできないので、、、」と説明しました。その後の報道に注意していましたが特に何もなく事故はなかったようで、それはよかったのですが、警察に無駄な仕事をさせてしまいました。
さて、ここで、山を登る以上、山岳事故の現場を目撃したら、当事者の命を最優先に考えて、自分の登山を一時中断しても状況をきちんと確認して、警察に救助要請をするのが当たり前で、それを必ず実行してほしいのです。山にまで都会の冷たさを持ち込んでほしくないです。
ただ、不慣れな登山者からこういった状況を伝えられた場合は、目撃者の氏名・住所、携帯電話番号を聞いて携帯電話がつながる場所できちんと警察が事情聴取できるようにしておくことが重要ですね。警察で説明しているときに失敗したと思いました。今回わたしはこれが出来なかったことにとても反省しています。
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