2009年ゴールデンウイークの後半は、岳沢にテントを張りました。
5月2日に白馬縦走を終えて八方尾根を下山し、そのまま上高地に移動。そこで、大学山岳部OBと合流、計4人で夕方には岳沢に入りました。さすがにこの日の行動はきつかったです、岳沢まで2時間30分程度でしたが、遠くて遠くて。
まずは、翌日5月3日にOB4人で登った「コブ尾根」について報告します。
コブ尾根は、急な雪壁、鋭いナイフエッジ、岩が次々に現れ、緊張が連続する尾根でした(左の写真はナイフエッジをトラバースするNさん)。充実感のある登攀ができました。お勧めの尾根がまた一つ増えました。
今回、ザイルを出したのはコブ岩で1ピッチ、懸垂をマイナーピークとコブ岩1峰で2ヶ所行いました。初心者を連れて行くと雪の部分でも何ピッチかザイルを出さないと怖いですね。雑誌「岳人」の五月号で特集されたこともあって後続パーティが続いていました。
翌日、登った前穂高岳のピークから写した奥穂高~西穂高岳の稜線。ジャンダルムの横の「コブ尾根の頭」と呼ばれるピークに上がる尾根がコブ尾根(黄色のライン)。
早朝、コブ尾根マイナーピークを目指して急なコブ沢を登り始めました(Oさん撮影)。
右の写真はマイナーピークの下りをハイマツを支点に懸垂下降しようとするところ。
マイナーピークの懸垂下降を終え、正面のコブ岩を目指して登っていくわたし(Oさん撮影)。
コブ岩1峰に取り付くわたし、確保はMさん。クラックや凹角の中の雪がほとんど無くなっていてどうやっても体が外に出るのでなかなか怖いです。ランニングビレーは半分以上が岩角や小さなピナクルにスリングで取ります。ザイルは30mほど出しました(Oさん、Nさん撮影)。
アイゼンの前爪をかなり細かいところに載せないといけない箇所もあり結構あります。ガイドブックよりも1グレード難しい感じ(Oさん撮影)。このピッチの後半は浮き石に注意しながらガバつかんで登ります。
コブ岩1峰を登り切ると鋭いナイフエッジが続きます。高度感があって結構微妙なので緊張します。その後、20mほどの懸垂下降でコルに降ります。
ナイフエッジがまだまだ続きます。この写真で最後にいるNさんに注目してください(Oさん撮影)。鋭いナイフエッジが終わりそうな箇所なのですが、あまりに鋭いのでその上を歩くことができず、エッジを手で持って慎重にトラバースしています。初心者を連れていたら確実にザイルを出す場所です。
終了点のコブの頭を目指して急な雪壁を登るわたし(Nさん撮影)。あともう少しでピークです。この尾根は取り付きから休憩する場所があまりなく、ずっと息を切らして登り続けることになります。
「コブ尾根の頭」はジャンダルムの隣に位置します。写真はコブ尾根の頭から右のジャンダルム越しに見た槍ヶ岳。
ジャンダルムの向こうに奥穂高岳が迫ります。右の写真は、翌日に登る予定の前穂高岳に明神岳。
コブ尾根の頭からは、まずは「天狗のコル」に向けて長い急な下りです。岩稜と状態の悪い雪で慎重に下りました。天狗のコルからは天狗沢を走ってあっと言う間に岳沢まで下れます。
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