9月27日日曜日、今年3度目の挑戦でやっと天候に恵まれ、穂高屏風岩を登ることができました。大学山岳部以来、数十年ぶりの屏風岩、ルートは雲稜ルートです。
前日の9月26日土曜日早朝、パートナーのMさんと上高地から徳沢に入りました。徳沢への到着が早かったので、屏風岩取り付きの数ピッチを登ってみることにしました。最近岩トレをしていなかったので練習目的です。さすがに天気が良いので、数パーティ取り付いていました。結局2ピッチ登って懸垂下降で戻り、取り付きに重いギアをデポして徳沢にもどりました。
この夜は、学生時代に登った岩にこの歳になって再び登れることに、ちょっと興奮していました。
屏風岩雲稜ルート、取り付きに近づくと屏風岩がどんどん覆い被さってきます。
T1からの1ピッチ目の凹角を登るわたし。ここから屏風岩の高度感がどんどん増していきます。
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9月27日、徳沢を未明の3時すぎに出て、横尾経由で屏風岩取り付きに向かいました。
屏風岩の取り付きに行く途中には渡渉があります(左の写真、前日の帰りに撮影)。夏に来たときより随分水量が減って、あまり冷たい思いはしなくてすみました。
右の写真は、1ピッチ目のT1尾根を登るわたしです(Mさん撮影)。
T1尾根を登るMさん。下に1ルンゼが見えます。
T1からいよいよ屏風岩が本格的に始まります。T1からの1ピッチ目の凹角を登るわたしです(Mさん撮影)。
凹角のピッチをビレイポイントから見下ろす。Mさんが木の下の方から登ってきています。
中央の写真は屏風岩で有名な扇岩テラス、横から見ると薄い岩の板が張り付いています。ここではビバークできます。左の写真は白い岩の青白ハング。右の写真は、扇岩テラスから東陵ルート方面を見たところです。扇岩テラスはまさに屏風のど真ん中にあります。
扇岩テラスからいよいよA1の人工登攀が始まります。
扇岩テラスから始まる垂壁をA1の人工登攀で登る。左の写真は先行するガイドパーティ。右の写真はリードするわたしです(Mさん撮影)。
このピッチ、半分以上のボルトのリングは無くなっています。ガイドさんたちは、残置スリングにどんどんアブミをかけていきますが、わたしは恐がりなのでワイヤー(リベットハンガー)をボルトのヘッドにセットして登りました。少々時間はかかりますが、これで安心できます。
垂壁を登るMさん。足の下の景色はずいぶん小さくなり、高度感は抜群です。岩登りの醍醐味を感じる瞬間です。ビレイポイントはとっても狭く、ほとんど体は宙にはみ出してしまいます。
そう、一箇所、途中のリベットが折れていて次のボルトまでやたら遠い場所がありました。わたしの身長ではアブミの最上段に乗っても届かなく、リストバンドにつま先突っ込んでやっと届きました。さすがにこの高度感の中では怖いです。
左の写真は、人工登攀2ピッチ目をリードし、トラバースするバンドに向かうMさん。右の写真は、同ピッチをフォローするわたし。背景(足下)に見える紅葉が始まった景色がきれいです。
左の写真は、人工登攀が終わって、その上のバンドをトラバースするわたし。頭がつっかえて微妙な姿勢になり、さらにトラバースは下を見てしまうので相当な高度感で緊張します。
右の写真は、トラバースが終わって東壁ルンゼに入り、その最終ピッチをリードするMさんです。今回時間がなくなってしまったので屏風の頭に抜けることは諦め、傾斜が緩んで階段状になったところを終了点とし、取り付き点に懸垂下降で降りることにしました。
左の写真にあるワイヤーが今回人工登攀で多用したリベットハンガーです。リングのなくなったボルトには効果的です。
中央と右の写真は、登攀が終わって懸垂下降で降りていくわたしです(Mさん撮影)。屏風岩は、懸垂下降のアンカーがよく整備されていますので、降りるルートを選んで行けばかなり安全に下れます。ただ、わたしは途中、欲張って降りすぎてしまい、適切なアンカーが見つからずちょっと焦りました。
扇岩テラスからT1まで一気に懸垂下降するわたし。この懸垂下降は気持ちいいですよ。T1まで降りれば垂壁部分は終わるので、垂直の世界から解放されます。あとは落石に注意してT1尾根を数ピッチ懸垂下降して取り付き点に戻ります。ただ完全に気を抜けるのは、渡渉が終わって一般登山道に出てからです。十分注意して下山しました。
今回、登りも降りも時間がかかり、さらに、途中でルートを間違えて、後続のガイドパーティに先行を譲りました。加えて、扇岩テラスで1時間ほど待ち時間もあったので、結局、取り付きにもどって渡渉をし、横尾に着いたのが18時となってしまいました。登攀が遅いのは明らかに練習不足で、ロープワークが悪すぎました。恐がりなので荷物も必要以上に重かったかもしれません。また、わたし個人では、1週間前のウルトラマラソンの疲れも残っていて、最後は足を上げるのがとてもしんどく、体力的にもきつい状態でした。
いずれにしても暗くなるまでに渡渉できたのがよかったです。でも、もう少し早く登れるようにならないと、これ以上の長いルートは登れないですね。
21歳の時に登った屏風岩をこの歳になって再び登れ、たいへん満足感のある楽しいクライミングでしたが、もっと練習して体力と技術をつけないとと反省するクライミングでもありました。
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