しばらく山とランは遠のいています

仕事、そしてコロナの関係でしばらく山やランからは遠ざかっています。来年の春から復帰できるようそろそろ運動再開していきたいと思います。ちなみに今、BIツールのPower BIが半分趣味になって、完全な運動不足になっています。20201020

2008年3月26日水曜日

春の八ヶ岳 【本編】 思いっきりラッセルとアイスクライミング

今シーズン3回目の八ヶ岳は、3月20~22日でした。

私と、大学山岳部OBのNさん、Mさん、そして雪山初体験の「FunClimbクラブ」(詳しくはこちら)のSさんの4人で春の八ヶ岳に出かけました。

今回の目的は、南沢大滝のアイスクライミング、そしてメインは、わたしとNさんの赤岳主稜登攀、MさんとSさんの地蔵尾根から赤岳ピークハントでした。


ところが、前日からの雪でトレースは消え、膝くらいのラッセルが南沢の滝の手前からから始まり出しました。そのため、大幅な予定変更をせざるを得なくなってしまったのです、、、、、、

詳細は後述するとして、プロローグに、思いっきり楽しめた南沢大滝でのアイスクライミングの報告から始めます。


南沢大滝、この写真は天候が回復した21日午後にNさんが撮影。昨年、アイスクライミングを始めたばかりの私ですが、初めてのアイスクライミング講習で見た南沢大滝、1年後にはリードしてやろうと密かに思っていました。


20日、雪の中、南沢大滝に取り付く私です。下部の傾斜が比較的緩い部分は雪を払いのけて氷を掘り出しながらのクライミングになりました。その上はバーティカルアイスなので、Sさんにビレイに専念してもらったため私の写真はありませんが、リードで登り切りました。目標達成です(ただし、アックステンションを2回ほどしてスクリューをねじ込みましたが、、、、)
※撮影は、ビレイヤーのSさん


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●3月20日午前8時頃、雪の中、美濃戸を出発
 午前3時前にSさんとわたしは、Sさんの車で大阪から美濃戸に到着。ワインを飲んで3時間ほど仮眠。
 朝、ゆっくり時間をかけて支度をし、美濃戸から南沢大滝目指して8時過ぎに出発しました。Nさん(東京)、Mさん(伊那)は午後から入山し、行者小屋で合流の予定です。

 
昨日からの雪はまったく止みそうもありません。出発時から完全武装の私です。胸にはもちろんビーコンを着けています。※Sさん撮影


○3月20日10時頃 やっと南沢小滝付近に到着
 南沢沿いに登って行きますが、南沢大滝・小滝付近になるとトレースも怪しくなりました。一般ルートからはずれて南沢大滝・小滝に向かうところは膝から腰のラッセルです。まずは小滝の近くでザックを降ろして休憩、アイスクライミングの準備を始めました。また、周りはトレースがまったく無いので私は大滝の場所を確認しに行くことにしました。すごいラッセルで通常5分で移動できるところが、とんでもない時間がかかってしまいました。

 
重い荷物に喘ぐ私       大滝取り付きまではすごいラッセル


○3月20日11時30分頃 やっと南沢大滝の取り付きに到着
 南沢大滝は、下部の傾斜が緩い部分は雪がべったり付いていました。こういった雪を取り除きながら雪まみれのアイスクライミングとなりました。時間はかかりましたが、私はリードで完登でき、まずは目標達成です。その後、トップロープをセットしてアイスクライミング初めてのSさんとクライミングを楽しみました。


下部の傾斜の緩い部分の雪を取り除きながら私がリードします。 ※撮影はSさん

         
    Sさん、いよいよ初アイスに挑みます。


Sさん初めてのアイスクライミング中 氷にへばりついています。


南沢小滝、この滝は大滝の手前にあります。ただし、時間が無く、この日は登りませんでした。※Sさん撮影


○3月20日16時30分頃 南沢小滝付近を行者小屋に向けて出発
 大滝でアイスクライミングしている間に行者小屋までの一般ルートには登山客が入ってトレースが出来ていることを期待していました。が、まったく人の入った形跡は無く、ここからの登りは、いきなり膝くらいまでのラッセルとなってしまいました。
 ラッセルとルートを探しながらでは全然距離が稼げず、南沢大滝を出発するのが遅かったため、結局、途中で真っ暗になってしまいました。ヘッドランプを着けても赤布は見つからずルートも判別できなくなってしまったので、18時30分頃、途中の林の中でテント泊としました。
 行者小屋で合流予定のNさん、Mさんは、ラッセルを避けて赤岳鉱泉の方から回ったのかと想像しつつ、連絡が取れないことを心配していました。ところが、ちょうど、私たちがテントを張り終えて荷物を整理している頃19時くらいに、私たちが着けたトレースをNさん、Mさんがヘッドランプを着けて登ってきました。最初はどこの「トレース泥棒さん」かなと思ったのですが、彼らでした。なぜ、私たちより下にいるのか不思議だったのですが、出発が遅かったそうです。通常だったら、美濃戸から2時間(美濃戸口から3時間)で行者小屋に到着するのですが、今日は美濃戸から3時間以上かけて、まだ2/3も登っていないような状況です。ただ、合流できたのでいずれにしても一安心です。

ただ、遅くなってしまったので、テントでは大忙しです。まずは水づくり、食事、もちろん、たっぷりお酒を飲んで。明日はここにテントを張ったまま、軽装で赤岳主稜と地蔵尾根・赤岳をそれぞれ目指すことにしました。


※教訓;別々に入山し山の中で合流する計画の場合、もし落ち合えなかった場合の行動予定をあらかじめ決めておく必要がありますね。まだまだ山で携帯電話がつながるエリアは狭いですから。また、共同装備もよく考えておかないと合流できない場合、一部の人がビバークになってしまう可能性もあります。


●3月21日午前7時 行者小屋に向けて出発したが、、、
 昨日、テントを張った場所から行者小屋まではあと30分程度かなと思いつつ、最低限のギアとビバーク用具を持って行者小屋に向けて出発しました。雪はたいしたことはないですが、風はきつく、トレースがないため膝くらいまでのラッセルが延々と続きます。結局行者小屋まで、なんと2時間以上もかかってしまい、到着は9時でした。
数時間後には天候が回復することはわかっていましたが、そこからは赤岳方面もトレースはなく、小屋も開いていなかったため、そこで待機するのはあまりに酷。結局、赤岳、赤岳主稜を諦め、下りて南沢小滝てアイスクライミングをすることにしました。わたしは、今シーズン3回目の八ヶ岳ですが、結局一度もピークを踏めませんでした(アイスクライミングはかなり充実しましたが)。八ヶ岳はアプローチが短いので、来シーズンもいろいろなアルパインルートから何度もトライすることにします!

 
延々膝までのラッセル      行者小屋に到着、小屋は休業中


○3月21日13時 南沢小滝でアイスクライミング
 行者小屋を9時30分ごろに下山開始、テント場について、テントを撤収し南沢大滝・小滝付近に着いたのは11時です。このころには天候もかなりよくなってきて、登山客も何パーティか上がってきます。もちろん、わたしたちの作ったトレースを使ってです。
13時から南沢小滝でアイスクライミング開始。今日は平日ということもあってなんと小滝を独占できました。昨年来たときは小滝は何本もザイルが垂れてすごい混雑でしたので、今日はラッキーです。

  
小滝をSさんのビレーでわたしがリードします。昨日の大滝と比べるとずいぶん気が楽です。※撮影はNさん


Nさん、久々のアイスクライミング

 
Nさん(左)、Mさん(右)のクライミング風景。Mさんのアイスクライミングのフォームはまさに教科書どおり、さすがです。なんと彼は、靴がテレマークブーツなんです。彼は最近テレマークスキーに凝っていて登山靴を別に買う余裕がないとか?


これはわたしのクライミング風景。Mさんみたいに手足が長いともっと映えるのに。※撮影はNさん

●3月22日9時 美濃戸下山
朝、30~40分くらいで下山しました。天気は最高、土曜日なので登山客がどんどん上がってきます。もうトレースは高速道路みたいです。本来であればそのまま山に残ってピークハントするのですが、今回は私の都合もありみなさん下山、ちょっと残念な気持ち。私たちは美濃戸口で解散し、私はSさんに茅野駅まで送ってもらって、そこから直接実家のある愛知県半田市の「乙川祭り」に向かいました。

アイスクライミングは今シーズンはこれで最後。リードも出来るようになったので、来シーズンは、裏同心ルンゼ、大同心大滝、乙女の滝あたりをチャレンジしようかなと思っています。
そう今シーズンの雪山はまだあります。涸沢で穂高見ながら「生ビールとおでん」を食べましょう!
 ※5月の涸沢の予定はこちら 
 ※雪山やりたい人は「FunClimbクラブ」をノックしてくださいね。
  詳しくはこちらです。

なお、以上の写真を含めて、今回の山行の写真を以下に掲載しています
 アルバム;http://photozou.jp/photo/list/63380/491072


2 件のコメント:

エドヤマ さんのコメント...

同じ八つでも、雪が違いますね~
これぞラッセル!という感じです。
ところで3回とも雪に見舞われた今シーズン・・・
やはり先輩が「雪男」だったことが、これでハッキリしました。
涸沢、メイストームがないことを祈っておりますヨ!

榊原淳 さんのコメント...

>エドヤマさん
八ヶ岳は土曜日に北沢(赤岳鉱泉方面)から入るのがベストですね、ばっちりトレースがあるので。また、雪が降りそうなときは八ヶ岳でもワカンが必要だということでしょう。ちなみに、前回の八ヶ岳は山崎さんが下山したらど快晴でしたよ、ラッセルは残りましたが。
涸沢は少しだけ日程に余裕があるので、天気の良い日もあるでしょう。