しばらく山とランは遠のいています

仕事、そしてコロナの関係でしばらく山やランからは遠ざかっています。来年の春から復帰できるようそろそろ運動再開していきたいと思います。ちなみに今、BIツールのPower BIが半分趣味になって、完全な運動不足になっています。20201020

2007年9月18日火曜日

北岳バットレス 本編

当時、19歳だったわたしは、大学ワンダーフォーゲル部の夏山で、初めてこの北岳バットレスを見ました。南アルプス縦走の最終日に北岳を登り、大樺沢を広河原に向かって下山していく途中、何度も何度もこの岩壁を見るために振り返りました。「こんなところを人が登るのか」と。その後、当時のワンダーフォーゲル部独特の文化に違和感を感じたのと同時に、岩や雪に惹かれて山岳部に転部。山岳部に入ってからも北岳バットレスはずっと登りたかったルートでしたが、なかなかチャンスがなく結局行けませんでした。
あれから、もう相当年月が過ぎてしまいましたが、今、19歳のころに感じた岩をやっと登ることができました。バットレスの四尾根は、難易度は決して高いルートではなく、実際、私でも詰まるところはありませんでした。ただ、途中、緩傾斜帯の徒歩移動のルートを間違えてタイムロスしたことと、マルチピッチでザイルを操作するのに意外に体力を消耗したこととで、予定していた中央稜への継続登攀は今回はなしとし、四尾根終了点から北岳頂上に直接上がりました。
予定のルートをすべて登れたわけではないですが、私はとても満足しています。翌日、大樺沢を御池小屋から広河原に向けて下りながら、19歳のころのように何度も何度も振り返ってバットレスを眺めました。



大樺沢から見た北岳バットレス


バットレスを登攀するには、御池小屋にテントを張ります。翌日、夜明けと同時に岩に取り付けるように、夜明けの2時間以上前には出発します。大樺沢の登山道を八本歯のコルに向けて登り、途中から壁めがけてバットレスから派生する沢を登っていきます(沢の出合いに大きな岩があるのが目印)。

  
取り付きの下部岩壁         下部岸壁の上は緩傾斜帯があり、徒歩で移動
(bガリー大滝)


  
緩傾斜帯を抜けて四尾根に取り付く  岩場からは雲海が見える

 
軽快にザイルを伸ばしていくと核心部の垂壁が出てくる(でもそんなに難しくない)



「マッチ箱からコル」へは懸垂下降を行う(写真は後続パーティ)。なかなか高度感のある懸垂下降



「マッチ箱のコル」を見下ろす(動画)。

 
マッチ箱のコルを過ぎればひたすらザイルを上に伸ばしていける。

 
ザイルを伸ばし続けると傾斜が緩くなり、登攀の終了点となる。  


北岳頂上まではザイルなしで移動
北岳頂上からは雲海の向こうに富士山が見える



行動記録
  2:30 御池小屋出発
  3:30 バットレス沢出合い到着
  5:00 下部岩壁のbガリー大滝取り付き到着(途中30分待機)
  5:30 bガリー大滝登攀開始
  6:15 bガリー大滝登攀完了・緩傾斜帯を四尾根取り付きへ移動
  7:15 四尾根に取り付く
    (緩傾斜帯で二・三尾根間のガリーに迷い込み時間ロス)
 8:00 四尾根取り付きテラス
10:00 マッチ箱のコル
11:15 登攀終了点(20分ほど休憩)
12:00 北岳頂上
16:00 御池小屋

写真集
http://photozou.jp/photo/list/63380/393838

PS.

登攀道具の入ったザックはとても重い。
翌日の御池小屋から広河原の下りは、辛かった。


2 件のコメント:

しろ父 さんのコメント...

おめでとうございます。
私も岩は登れないけど、北岳は2回登ったことがあります。動画にはいっている風の音を聞くと、なぜか、とても懐かしい気持ちになりました。
確か、北岳って「マークスの山」の舞台でもありましたよね。

榊原淳 さんのコメント...

しろ父さん
こんばんわ
北岳、とってもいい山ですよね。富士山がとってもきれいに見えて。来年もバットレス登りにきてしまうかもしれません。